三浦哲郎「忍ぶ川」。私は文学的知識など皆無なので, 文庫の巻末解説なんか 読んでも, いつも「ふ〜ん, そんなもんかもね」とか思うくらいなのだけど, 今回はすごく共感した, 解説に (^^;。
作者の志乃に対する簡潔で的確な描写, 会話や動作のすみずみから漂ってくるものが, たちまちぼくを志乃のとりこにしてしまう。
ぼくは主人公に嫉妬をおぼえるほど志乃に引かれて行く。
や, まったくそのとおりっす。って感じ。 で, 話かわって今日の表現。
わたしと妻の誕生日はその日ふいに来ますが, 子供の誕生日はいかにもやってくるというにふさわしく, 遠くから一日一日とちかづいてきます。(「團欒」三浦哲郎)
原文は, 「やってくる」のところに傍点あり。 一文だけ抜きだすとイマイチ? でも読んだときは気にいったの。